東西文化の融合を示すデザイン:
- パルミラはローマ帝国と東方の間で栄えた都市であるため、美術工芸品にもその影響が見られます。この首飾りは、不揃いな天然石や、模様が施された大きな石を組み合わせた、土着的で力強い印象のデザインであり、当時のパルミラの独自性や東西の要素が混じり合ったユニークな美意識を反映していると考えられます。
- 中央の黒っぽい四角い石に刻まれた円形の連続模様は、意図的で洗練された装飾であり、技術的な成熟度を示しています。
素材の多様性とユニークさ:
- 様々な色や形の石(ジャスパー、アゲート、あるいはその他の天然石の可能性)が組み合わされており、素材一つ一つに個性があります。これは、天然の素材を活かし、装身具に自然の力や神秘性を込める古代の慣習とも関連しているかもしれません。
- 特に、角ばった大きな石と丸い小石が交互に配置されているように見え、リズミカルでありながらも、天然の荒々しさを保っている点が魅力的です。
歴史的・考古学的価値:
- 紀元前1世紀から3世紀という、パルミラが最も繁栄した時代に作られたものであり、当時の人々の装身具やファッション、交易品として用いられた石の種類など、具体的な生活や文化を物語る貴重な資料です。




寸法
長さ 480