1. 「線遠近法」を彫刻に持ち込んだ先駆性
この作品の最大の凄さは、平面に近いレリーフの中に、まるで奥に部屋が続いているかのような奥行きを感じさせる点です。
- ドナテッロは、建築家ブルネレスキが確立した「線遠近法」をいち早く彫刻に取り入れました。
- 背景にある何層にも重なるアーチを見てください。奥に行くほど小さく、薄く彫られており、彫刻でありながら「絵画的な空間」を作り出しています。
2. 超絶技巧「スキアッチャート(薄肉彫り)」
ドナテッロが編み出した「スキアッチャート(Schiacciato)」という技法が光っています。
- これは、非常に薄い浮き彫り(わずか数ミリの厚み)で、空気感や遠近感を表現する手法です。
- 手前の人物はしっかりと立体感を持たせ、奥の人物や建物は紙のように薄く彫ることで、大気さえも表現しようとする繊細な技術が凝縮されています。
3. 人間の「生々しい感情」の描写
ルネサンス以前の美術はどこか静止画のようでしたが、ドナテッロは「ドラマの瞬間」を切り取る天才でした。
- ヨハネの首が差し出された瞬間、ヘロデ王が驚いて身をのけぞらせ、周りの人々が恐怖や嫌悪感で顔を背ける様子が非常にリアルに描かれています。
- この「心理的な緊張感」こそが、観る者の心を揺さぶる大きな魅力です。
4. 複雑なストーリーの同時進行
一つのパネルの中で、物語が多層的に構成されています。
- 前景: 首を突きつけられた衝撃のシーン。
- 中景・後景: 首が運ばれてくるまでのプロセスや、音楽を奏でる人々。 これらを一つの画面に違和感なく収める構成力は、当時の芸術家たちに多大な影響を与えました。
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寸法 販売価格
1070×1260 200,000円





