芸術的な良さ(蒔絵の技法と意匠)
- 蒔絵の美しさ: 印籠は江戸時代、実用品であると同時に武士などの**装身具(アクセサリー)**として発達しました。画像からも、金色の地に黒や赤の漆で山水風景が描かれ、非常に緻密な蒔絵の技術が使われていることが分かります。このような精巧な漆工芸品は、高度な職人技の結晶であり、その美しさ自体が大きな魅力です。
- 立体感と奥行き: 滝と松というモチーフは、風景画としても奥行きを表現しやすく、印籠の小さな空間に壮大な自然の景色を凝縮する意匠の巧みさがあります。四段の印籠であれば、段と段の継ぎ目も柄の一部として繋がるようにデザインされているはずで、全体として一つの絵巻物のような良さがあります。
- 素材の高級感: 全体を覆う金色の蒔絵は、豪華で格式高い印象を与えます。
2. 縁起物としての意味合い(柄の象徴性)
印籠に描かれる柄には、多くの場合、縁起や吉祥の意味が込められています。
- 松 (まつ):
- 長寿・不老不死: 松は常緑樹であり、一年中緑を保つことから、永遠の命や不老長寿の象徴とされます。
- 節操・吉祥: 厳しい冬にも耐えることから、節操や強さを表す縁起の良い植物として尊ばれます。
- 滝 (たき):
- 勢い・活気: 勢いよく流れ落ちる滝は、生命力や活力、清浄の象徴です。
- 出世・成功: 流れが尽きないことから、絶え間ない発展や立身出世を願う意味合いが込められることもあります。



松の「永遠の強さ」と滝の「清浄な活気」が組み合わさることで、健康で力強い長寿や清らかで尽きることのない成功を願う、非常に縁起の良い吉祥文様と言えます。
寸法 販売価格
60×85×28 30,000円