実用性:携帯薬入れとしての進化
- 起源と用途: 印籠はもともと、室町時代に中国から伝わり、印鑑や朱肉を入れる容器(印籠の名の由来)として使われ始めました。
- 江戸時代の役割: 江戸時代に入ると、帯に挟んで持ち運べる小型で丈夫な容器として、携帯用の常備薬入れとして広く普及します。特に、丸薬や散薬を種類別に分けて入れるために、お写真の品のように**数段に分かれた積み重ねの構造(合口)**が発達しました。これは、当時の旅や外出時に薬が貴重品だったことと、携帯の必要性から生まれた生活の知恵です。
ステータスシンボル
美術工芸品としての地位: 特に上級武士や富裕層の間では、高価な漆工芸技術を駆使した印籠を持つことが身分や財力を示すステータスシンボルとなりました。
武士のファッション: 武士は帯に刀を差すため、懐中物や袋物を身に着けることができませんでした。そのため、印籠は**「提げ物(さげもの)」として、煙草入れや矢立てなどと共に腰に下げられ、男性の数少ないおしゃれアイテム**として発達しました。


寸法 販売価格
50×90×37 28,000円