1. 「実用の美」:無銘ゆえの機能美
江戸時代の無銘の銃は、多くの場合、特定の高名な職人が芸術品として作ったものではなく、実戦や藩の備えとして作られた「道具としての完成形」です。
- 削ぎ落とされたデザイン: 華美な象嵌(ぞうがん)。銃身の重厚さや木床(台木)の曲線など、火縄銃本来のフォルムの美しさが際立ちます。
- 質実剛健: 銘を刻むことよりも、確実に発射され、長く使えることに重きを置いた、当時の職人の「仕事の誠実さ」が伝わってきます。
2. 「歴史の匿名性」:想像を掻き立てる背景
銘がないということは、その銃がどのような道を辿ってきたかを想像する楽しみを与えてくれます。
- 足軽の相棒: 戦国時代の名残を残しつつ、江戸時代の泰平の世で藩の武器庫に眠っていたのか。
- 庶民の暮らし: あるいは、害獣駆除や村の自衛のために、名もなき村の名主が大切に管理していたものかもしれません。 特定の個人の名前がないからこそ、「当時の日本そのもの」を象徴する一挺として向き合うことができます。
3. 日本独自の進化:ガラパゴス的完成度
江戸時代、世界が火打ち石式(フリントロック)へ移行する中で、日本はあえて「火縄式」を極限まで進化させました。
- 驚異の命中精度: 江戸時代の火縄銃は、当時の世界の銃の中でもトップクラスの精度を誇りました。
- 文化としての砲術: 武器としてだけでなく「砲術」という武道・精神修養の道具へと昇華された、日本独特の美意識がこの一挺に宿っています。


長年手入れされ、大切に扱われてきたからこそ出る「時代の艶」は、新品の美術品には出せない、骨董ならではの味わいです。


福岡骨董品 ほんとくの商品は1点物です。必ず商品の形・大きさ・色合いを見てご購入ください。
寸法
1350×50×100





