朝鮮風炉の良さ
まず、このお道具の形状から見ていきましょう。朝鮮風炉は肩が張り、3つの足がやや長く、前後に「香狭間透(こうざますかし)」と呼ばれる模様があるのが特徴です。その形状は、元々寺院で使われていた香炉を模して作られたとされています。
したがって、この独特の形状には、侘びた趣が感じられ、見る人に深い情緒を与えます。さらに、朝鮮風炉には「真形釜(しんなりがま)」を合わせるのが約束事です。お写真の釜はまさにその真形釜であり、風炉との取り合わせとして非常に良いものです。
2. 「春斉釜」と「昇雲造」の価値
次に、作家の視点からこのお道具の良さを見てみましょう。茶道具の釜や風炉は、それぞれ専門の職人である「釜師」「風炉師」が手掛けます。箱書きにある「春斉」は釜師、「昇雲」は風炉師の銘(めい)と考えられます。
なぜなら、茶道具の価値は、その作家の知名度や技量によって大きく変わるからです。もし、この「春斉」や「昇雲」が著名な作家であれば、その価値はさらに高まります。
3. 共箱が示す品質の高さ
さらに言えば、このお道具の良さを証明する重要な要素が、お写真にある木箱、通称「共箱(ともばこ)」です。共箱には、作家自身が作品名や銘、来歴などを記します。
そのため、共箱は作品の真贋を証明する「証明書」のような役割を果たします。共箱がない作品と比べて、その価値は格段に高まります。また、お写真を見る限り、大きな傷や汚れもなく、つまり、丁寧に扱われ、大切に保管されてきたことがうかがえます。
4. 骨董品としての総合的な魅力
このように、この茶道具は朝鮮風炉と真形釜という由緒ある取り合わせに加え、作家の銘と共箱が揃った、非常に価値のある一品です。単なる道具としてだけでなく、長い歴史の中で育まれてきた茶の湯の文化を今に伝える美術品としての価値も持っています。





この茶道具は、単なる道具としてだけでなく、長い歴史の中で育まれてきた茶の湯の文化を今に伝える美術品としての価値も持っています。
販売価格 30,000円
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