1. 世界一と評された「レンズ」の品質
創業者のH.C.ホワイト氏は、もともと眼鏡レンズの研磨職人でした。その技術が注ぎ込まれたこの実体鏡は、当時の他社製品に比べてレンズの透明度が高く、歪みが少ないのが特徴です。
- 没入感: 左右の画像を脳内で合成した際、驚くほど鮮明で深い奥行き(3D効果)を楽しむことができます。
- 疲れにくさ: 精度の高いレンズは目に優しく、当時の富裕層の間で「最高級品」として愛用されました。
2. 1900年パリ万博の栄誉
フード部分をよく見ると、メダルのようなエンブレムが刻印されているかもしれません。H.C.ホワイト社は1900年のパリ万国博覧会で金賞を受賞しており、その誇りとして多くの製品に当時のメダル意匠がデザインされています。これは「世界が認めた最高峰のビューアー」である証です。
3. 贅沢な素材と「美しき機能美」
- アルミ製フード: フードは、当時まだ貴重だったアルミニウム(または合金)が使われ、細かなスクロール模様のエッチングが施されていることが多いです。これは軽量化と装飾性を両立させた当時のハイテクデザインでした。
- 木製ハンドルの温もり: 手に馴染む曲線を描いた木製のハンドルは、100年以上経った今でも持ちやすく、アンティークならではの重厚な質感を楽しめます。
4. 「Perfecscope(パフェスコープ)」というブランド
ホワイト社はこの製品を「Perfecscope(パフェスコープ)」というブランド名で展開していました。名前の通り「完璧な(Perfect)」視覚体験を目指したこの道具は、テレビや映画が普及する前、人々が居間にいながらにして世界旅行(エジプトのピラミッドやナイアガラの滝など)を疑似体験するための「魔法の窓」でした。









