1. 鮮やかな「色彩のコントラスト」
この時代の軍帽の最大の特徴は、カーキ色(国防色)の本体と、鮮やかな赤色の対比です。
- 赤い鉢巻部分: この赤色は、明治以来の伝統を引き継いでおり、戦場でも一目で日本陸軍とわかる象徴的な色でした。
- 赤のパイピング(玉縁): 天井部分の縁にある細い赤線が、全体のデザインを引き締め、気品を与えています。
2. 象徴的な「五芒星(ごぼうせい)」
正面に輝く黄金色の五芒星は、陸軍の象徴です。
- これは「弾除け」の意味が込められていたという説もあり、兵士たちの守護としての精神的な重みを持っていました。
- シンプルながらも力強いデザインで、帽子全体のフォーカルポイント(視線が集まる点)として機能しています。
3. 西洋化と日本独自の融合
この軍帽のデザインは、当時のフランス軍などの影響を強く受けていますが、細部は日本人の体格や好みに合わせて調整されてきました。
- 洗練されたシルエット: 前方が高く、後ろがやや低い独特の傾斜は、着用した際に凛とした表情を作り出します。
- クラシックな工芸美: 本革のバイザー(つば)や、あご紐を留めるサイドのボタンなど、細部に当時の職人技や素材の質感を感じることができます。
4. 「明治・大正・昭和」を駆け抜けた歴史の重み
四五式軍帽は、明治の終わりから昭和の初期まで長く愛用されました。
- 多くの歴史的写真や映画で見られる「日本の軍人」のイメージを決定づけているアイテムです。
- 単なる衣類ではなく、当時の日本が歩んできた近代化の歴史そのものを象徴する造形物としての価値があります。



寸法 販売価格
240×270×100 8,000円





