1. 象徴性と縁起の良さ
日本美術において、鶴は「千年」生きるとされ、長寿や瑞兆(めでたいことの兆し)を象徴する極めて吉祥なモチーフです。
- 武家文化との親和性: 武士にとって、鍔は単なる道具ではなく、自らの美意識や精神性を表す「顔」とも言える存在でした。常に身につけるものに長寿や無病息災の願いが込められた鶴をあしらうことは、護身の護符のような精神的な支えでもあったと考えられます。
2. 高彫(たかぼり)による立体的な表現力
「高彫」とは、地金からモチーフを浮き彫りにする技法です。
- 迫力と躍動感: 鶴の造形に見られるように、平坦な平面ではなく、羽の重なりや体のふくらみが立体的に表現されています。これにより、光の当たり方で陰影が生まれ、まるで鶴が今にも飛び立とうとしているかのような「動き」を感じることができます。
- 工芸の真髄: 手間を惜しまず、細部に至るまで鏨(たがね)を打ち込んで作り上げる高彫は、当時の金工師の卓越した技術力が如実に反映される部分です。
3. 金象嵌(きんぞうがん)によるコントラスト
鉄地の落ち着いた黒味(あるいは錆色)と、輝く金の対比は、日本の美意識における「わび・さび」と華やかさの融合です。
- 洗練された意匠: 全体を金色にするのではなく、ポイントとして金象嵌を施すことで、鉄の重厚な質感と金の気品が引き立て合っています。この「引き算」の美学が、派手すぎず、かつ格式高い雰囲気を醸し出しています。
4. 経年変化(エイジング)の味わい
地金の質感を拝見すると、長年大切に受け継がれてきたことで生まれた、独特の「肌」の風合いが感じられます。
- 歴史の積み重ね: 新品の金属にはない、経年による地金の落ち着きと、象嵌された金との馴染み方は、アンティーク品ならではの「鑑賞の愉しみ」です。持ち主が代々その鍔を愛でてきた歴史そのものが、工芸としての良さをさらに深めています。


ほんとくの商品は1点物です。必ず商品の形・大きさ・色合いを見てご購入ください。
寸法 販売価格
72×72 25,000円






