1. 鉄味(てつあじ)の深み
鉄地(てつじ)の最大の魅力は、長年の使用や手入れによって生まれる「鉄味」です。この鐔に見られる古色の帯びた鉄肌は、時代を経て酸化し、単なる金属ではない独特の鈍い輝きと、しっとりとした質感を醸し出しています。これは人工的には作れない、歴史が刻んだ唯一無二の味わいです。
2. 繊細で均整のとれた透かし(菊花形)
この作品の最も特徴的な点は、菊花をモチーフにした「透かし」の技法です。
- 均衡の美: 放射状に広がる繊細な透かしは、職人の非常に高度な技術を必要とします。線が細いにもかかわらず、全体が崩れることなく美しい円形を保っている点は、制作当時の優れた工芸技術を物語っています。
- 光と影の演出: 透かし技法は、光を通すことで鐔のシルエットを浮かび上がらせます。刀に装着した際、光の加減で複雑な影を落とす様は、実用品でありながら精神的な静寂を感じさせます。
3. 実用性と意匠の融合
武士の魂である刀の重心バランスを整えるという実用的な目的を持ちながら、同時に持ち主の美意識や格式を表現する装身具でもありました。菊花は古来より高貴さや長寿を象徴する吉祥文様であり、質実剛健な「鉄」という素材と、雅な「菊花」という意匠の組み合わせには、武家文化特有の「わび・さび」と洗練された感性が同居しています。
4. 時代を経て洗練された造形
この鐔は、細部まで丁寧な仕上げが施されており、時代物としての品格が伝わります。刀身(日本刀)と組み合わせた際に、全体の拵をどれほど引き締め、気品をもたらすかを想像させるような、優れた造形美を持っています。

ほんとくの商品は1点物です。必ず商品の形・大きさ・色合いを見てご購入ください。
寸法 販売価格
77×79 29,000円





