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福岡骨董品 十二代酒井田柿右衛門-02 猩猩置物 角福銘

骨董品

1. 十二代柿右衛門ならではの「温もり」と「太白(たいはく)」

十二代の最大の功績は、途絶えていた江戸時代の「濁手(にごしで)」の技術を、十三代と共に復興への道筋をつけたことです。

  • 肌の温かみ: 十二代の白磁(太白)は、現代の真っ白な磁器とは異なり、**少し黄みを帯びたような、非常に柔らかく温かい「白」**が特徴です。これが、無防備に眠る猩猩の姿と相まって、見る人の心をほぐすような優しさ生み出しています。
  • 造形の妙: 十二代の置物は、写実的でありながらも、どこかユーモラスで愛嬌のある表情をしているものが多く、この猩猩もその代表作といえます。

2. 「猩猩(しょうじょう)」という画題の縁起の良さ

猩猩は、汲めども尽きぬ酒壺を持つことから、**「商売繁盛」「家内安全」「不老長寿」**の象徴とされる大変おめでたいモチーフです。

  • 無垢な寝姿: 酒に酔って甕(かめ)にもたれかかる姿は、世俗の悩みから解放された「福の神」そのものです。この置物を飾ることで、その場に「豊かさ」と「安らぎ」をもたらしてくれます。
  • 瑠璃(ルリ)との対比: 画像に見られる甕の深い瑠璃色は、十二代の時代にも好んで使われた色で、白磁の柔らかさを引き締める絶妙なアクセントになっています。

3. 「角福銘(かくふくめい)」の価値

底面にあると思われる「角福(四角の中に福の字)」の銘には、大きな意味があります。

  • 伝統の証: 「角福」は江戸時代の古伊万里や柿右衛門様式に使われてきた伝統的な銘款です。十二代の作品にある角福銘は、「正統な柿右衛門窯の作品である」という証明書のような役割を果たします。
  • 格式の高さ: 当時、角福銘は主にこの作品のような「置物」や「優品」に入れられることが多く、窯の中でも格の高い作品として扱われていたことを示唆しています。
  • 福を呼ぶ: 文字通り「福」が来るようにという願いが込められており、猩猩の縁起の良さと合わせて、二重の吉祥(おめでたさ)を持っています。

寸法 販売価格 

360×300×210  80,000円

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